クリーピー 偽りの隣人

監督:黒沢清


原作は前川裕。第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を実写映画化した作品である。

原作を超える、または原作と同等の作品を作るのはとても難しいと思う。
活字を僅か2時間にまとめるのは至難の業だろう。
だから、クリーピーが原作に勝てないのもやむを得ないと思う。
ただ、忠実に頑張って負けるならまだしも…
原作に反して負けるのはちょっとなあ……
「原作を変える」が許されるのは、それだけ質が高いネタの時だけだと思う。

役者の演技が素晴らしいだけに後半をもっと頑張って欲しかった。

演技は本当に素晴らしい。

素晴らしいだけに役者の無駄遣い感が否めない。

この作品で実の娘に母親の遺体処理をさせる必要はあるのだろうか。

中途半端なトラウマレベルの描写はやめてほしい。

東出ファンと香川ファンだけが見ればいいと思う。

原作は面白いから小説だけに留めておこう。


簡単にあらすじを。
元警察官で現大学教授の高倉の元に元同僚で現警察官の野上が現れる。
野上は未解決事件について触れてきた。
一線から退いた高倉は、もう関わりたくなかったが
野上が妙なことを言い出して……………